S100B ARGUS
空中早期警戒機 SAAB340AEW
【アーガス-百の目を持つ神話の人物】
原型のサーブ340は座席数36席のコミューター機で、アメリカ、欧州、そして日本などから、およそ440機が発注された傑作機です。 高温、低音、高地に強い着陸性能と高速度巡航、長距離巡航能力を持ちます。またアクティブ騒音制御と呼ばれる騒音抑制装置が組み込まれ、騒音の発信源をマイクで拾い、その音と全く逆の波形をスピーカーより出力することにより「音を打ち消す」効果を持ちます(レーダーのジャミングと同じ原理)。その分快適性は高く長時間の搭乗でも疲労を極力感じられないよう配慮されております。 サーブ340は日本エアコミューター及び北海道エアシステム(どちらも旧JASの子会社)、及び海上保安庁でも運用されております。 そのサーブ340旅客機を空中早期警戒機に改良したものがサーブ340AEWで、スウェーデン空軍ではS100Bアーガスと呼ばれています。S100BのSはJAS39のSと同様「Spaning」つまり偵察という意味の頭文字です。 見た目で目を引くのは、やはり背中に背負っているエリクソンPS-890フェイズドアレイレーダーポッドで、その索敵距離は高高度で500〜450Km。戦闘機クラスの目標であらば330Kmの距離で探知することができます。レーダーの形状からも分かる通り、機種および尾部方向への索敵能力は持っておらず、左右それぞれ110度の索敵範囲を持ちます。 クルーは操縦士二人とオペレーター三人の計五人で、オペレーターは機器の操作を行い、管制業務は行いません。索敵情報を地上、もしくは各種戦闘機へとデジタルで送受信を行うためデータリンクされております。 滞空時間は5〜7時間と長く、機内にはトイレはもちろん、キッチンなども完備されております。 受け渡しは1999年、サーブ340の生産ライン閉鎖と同時にすべて完了しており、まさにグリペンのために生産された空中早期警戒機で、今後数十年21世紀を担う新世代の早期警戒機です。 |
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