〜B004/シードラゴン〜


Su-32/Su-34は他のフランカーには装備されていないB004マルチモードフェイズドアレイレーダーを搭載しています。
B004は空対空能力を持ちつつも空対地に特化したレーダーであり合成開口による高精細地上マッピングによるターゲティングが可能で、その解像度はF-15EのAN/APG-70に極めて近いレベルであるとされています。地形追随レーダーモードも持ち合わせているため山間を超低空かつ高速で付きぬけることでき、それを全自動で実行することができます。ロシア戦闘機で初めて真の全天候作戦能力を得た戦闘機といえます。

空対空では250kmの探知距離を誇るとされ、通常のスロットバックと比較して遜色のあるものではありません。このB004レーダーは世界初のフェイズドアレイレーダーであるMiG-31のザスロンシステムで使用されたものよりもより現代水準に近い技術で開発されています。

海軍向け同型機のSu-32はシードラゴン/シースネークレーダーと呼ばれる兵装システムを持っています。そのシードラゴンは面白いことに対潜用の兵装システムであり、通常は後部警戒レーダーが収納されているテイルコーンにはMAD(磁気捜索装置)、IIR/IRTV(赤外線カメラ探知装置)等が組み込まれ、腹部には72個のパッシブ・アクティブソノブイランチャーを備えており、対潜魚雷、対潜機雷、レーザー測距装置、対潜海上走査レーダーモード(シースネーク)などを使用することができます。対潜能力を持った戦闘機は他にも存在しますが、それはあくまで攻撃のみが可能であって探知支援などは行えませんでした。ここまで徹底された対潜支援能力を持った戦闘機は他に例を見ません。

そしてシースネークは海上走査合成開口レーダーで、指定した海域の精密地図を作り出すことができます。その解像度は小さな漁船の建造物構造を見分けられるほどです。P-3CオライオンやS-2Bバイキングも同様のAN/ASP-137というシステムを持っていますが、それよりも20〜30%高性能なものと言われています。





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