〜R-77(AA-12)〜


スケールは1m
ロシア名 :Х-77 РВВ-АЕ(R-77 RVV-AE)
NATOコード :AA-12 Adder(加算器の意)


発射から命中までのプロセスがAIM-120AMRAAMとそっくりであることから「アムラームスキー」などと陰口を叩かれている同ミサイルですが、射程距離で10〜30%以上と大きなアドバンテージがあるとされています。
主な目標は戦術戦闘機から、戦略大型機、そして巡航ミサイルなどであり、恐るべき事にAMRAAMやフェニックスなどの空対空ミサイルやパトリオット地対空ミサイルに対して使用できるともされています!

中間誘導は慣性+データリンク。終端誘導はアクティブレーダー誘導の自律型撃ちっぱなしミサイルであることから、母機からの誘導を必要としません。母機から発射後、ロケットモーターに点火し、目標のベクトルから着弾点へと飛翔します。相手が逆方向へ急旋回すれば着弾点も大きく変化しますが、母機が発射後も目標をレーダーロックしていれば、目標のベクトルから予想着弾を割りだしてミサイルへアップデートして誘導します。

目標まで20Kmまで接近するとミサイルのアクティブシーカーが起動し、ミサイル自身がレーダーで目標を捕らえ、後は完全自律で予想着弾点へと飛翔します。ジャミングやチャフといったECMへの対抗手段ECCM能力にも長けていることがテストにより実証されており、ジャミングがかかると、その発信源へと飛翔する能力も持ち合わせています。ただF-22といった新世代のステルスを探知するには300m程度まで接近しないと反応しません。ですのでR-77を使った通常の方法でステルスを撃墜するのはほとんど不可能に近いでしょう。

初期のSu-27は、搭載セントラルコンピューターとレーダーモジュールに技術的な問題があり、AMRAAMのような複数機に対しての同時攻撃能力は欠けるとされています。同時に数発の目標のを追尾し、ミサイル中間アップデートをすることができないのです。とはいえ、従来よりも格段にすぐれたミサイルであるため、今後Su-27シリーズの主要空対空兵装としての地位を築き上げるのは確実視されており、「世界で最もすぐれた中射程ミサイル」であるとの声も多く上がっています。

派生型に推進装置にラムジェットを採用し大幅に射程距離を拡張したR-77PD RVV-AE-PDが目下開発中とのこと、
このR-77PDの射程距離はなんと200Kmに達するであろうと予想されています。この射程距離は各国で開発中のラムジェット推進AAMを大きく上回る数値です。欧州の「ミーティア」やアメリカの「FMRAAM」は100Km以上とされているのに比較すればいかに射程が長いかがよくわかります。

しかし、かれこれ数十年続く経済不振のため、R-77PDの開発は困難を極めています。
また、通常のR-77もその多くが製造不良を抱えており、さらに品質管理はお世辞にも良いとは言えないため、R-77の過半数は何らかの不良のため、正常に動作しないであろうとも言われています。これは、ベトナム戦争時のAIM-7スパローに匹敵する数字でもあります。

名称 R-77 RVV-AE
用途 中距離空対空戦闘
重量 175キログラム
全長 360センチメートル
直径 20センチメートル
操縦翼幅 35センチメートル
弾頭 指向性破片威力弾頭30キログラム
エンジン 固形燃料ロケット
搭載G制限 5G
誘導方式 中間:慣性・データリンク
終端:アクティブレーダーホーミング
目標最大速度 3,600Km/h
攻撃可能高度 20〜25000メートル
照準見越し角 50〜55度(?)
命中率 0.8
最大射程距離 70キロメートル
最小射程距離 0.2キロメートル







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